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EVOLUTiON

カルチャーの進化

進化を感じられる「完成された未完」。それをコンセプトとした新オフィス。

すべてには意味がある。素材にまでこだわった設計に込めた想いを紐解く

2023年12月、CARTA HOLDINGSは、東京の虎ノ門ヒルズステーションタワーへと本社オフィスを移転しました。これにより、渋谷と東銀座の2拠点に分散していたオフィスを一本化。社員間のつながりと一体感を深め、会社としてさらなる進化を目指していきます。新オフィスの要所には、コミュニケーションや偶発的な出会い(=セレンディピティ)を促す工夫が施されています。
今回、オフィス移転プロジェクトのメンバー・大橋徹と、企画からデザイン・設計、施工まで担当した株式会社船場の岡田拓大氏、関口裕太氏にインタビュー。CARTA HOLDINGSのミッションである「進化」を軸に据えた設計コンセプト作りや、プロジェクトを推進するうえで苦労した点について聞きました。

大橋 徹

Tetsu Ohashi

株式会社CARTA HOLDINGS 
グループコミュニケーション本部 副本部長
株式会社CARTA MARKETING FIRM 取締役
株式会社Yomite 取締役

2013年㈱VOYAGE GROUP(現㈱CARTA HOLDINGS)新卒入社。営業本部配属後、新卒1年目にして九州営業支社を企画し立ち上げを行う。2018年D2C事業会社の㈱ヨミテを立ち上げ取締役に就任するなど、新規事業を推進。
2019年㈱Zucks取締役に就任。2023年からはカルチャー醸成をミッションに㈱CARTA HOLDINGSのグループコミュニケーション本部副本部長を兼任。
2023年10月㈱Zucks含む4社を統合した㈱CARTA MARKETING FIRM設立に伴い、取締役に就任。

岡田 拓大 氏

Takuhiro Okada

株式会社船場
EAST事業本部 設計統括部
設計第1DIV. 設計第2チーム

㈱船場のデザイナー。㈱CARTA HOLDINGSの2023年オフィス移転プロジェクトにおいて、企画からデザイン・設計、施工までご担当。

関口 裕太 氏

Yuta Sekiguchi

株式会社船場
EAST事業本部 設計統括部
設計第1DIV. 設計第2チーム

㈱船場のデザイナー。㈱CARTA HOLDINGSの2023年オフィス移転プロジェクトにおいて、企画からデザイン・設計、施工までご担当。

セレンディピティを生むには、まずは出社したくなるオフィスを

―今回の移転において、オフィス移転プロジェクトの皆さんが、コンセプトからビジュアルまで全体の企画に携わりましたね。オフィス移転プロジェクトにおけるそれぞれの役割を教えてください。

大橋:主にオフィスのデザインに関わる意思決定を担ってました。1年半にわたるプロジェクトで、私は後半の約1年間参画しました。

岡田:株式会社船場は、1年半ほど前にCARTA HOLDINGS様からオフィス移転におけるプロポーザルの打診を受け参加、結果弊社を選任頂き、プロジェクトがスタートしました。具体的には、プロジェクトの基本構成からデザイン、設計、現場でプランから納品まで広範囲にわたる業務を担当しました。個人としては、36階の来客フロアのデザインおよび設計を中心にプロジェクトに関わりました。

関口:私は主に37階、38階の執務・会議室フロアのデザイン及び設計を中心にプロジェクトに関わりました。

―オフィス移転プロジェクトはどのような背景でスタートしましたか?

大橋:まず、きっかけとなったのは、2019年の経営統合(※1)です。経営統合に伴い、二つの会社がそれぞれ持っていた評価基準や採用基準、バックオフィス機能などを統一する中で、分散していたオフィスも一つの場所に集約した方がいいということになりました。
さらに、新型コロナウイルスもオフィスのリニューアルに影響を与えました。2020年はオフィス出社の需要が日を追うごとに変化し、どのような働き方をすればいいのかと、どの会社も模索していました。そんな中、海外の企業は出社を促す流れになっていったんです。当社にも、リアルなコミュニケーションが価値を生むという意見がありました。
また会社として経営統合の意味を考えた時、双方の社員がテキストやオンライン上だけでやりとりをするより、共通の場所で実際に話したり顔を見たりすることが、同じ組織の一員だと実感できるようになると考え、移転を決定しました。

※1:CARTA HOLDINGSは、2019年、サイバー・コミュニケーションズ(CCI、現CARTA COMMUNICATIONS)とVOYAGE GROUPの2社間の経営統合によって発足しました。

―船場様は、CARTA HOLDINGSからオフィス移転の話を受けた時、どのような気持ちでしたか?

岡田:CARTA HOLDINGS様の想いに応えたいというのが、率直な気持ちでした。実はCARTA HOLDINGS様(旧VOYAGE GROUP様)と弊社は10年ほど前からお付き合いがあり、そうした縁から今回もお声がけいただき、とても嬉しかったのです。CARTA HOLDINGSとなって初めてのプロジェクトでしたので、統合前とは異なるところもあるとは思いましたが、さまざまな方とコミュニケーションを取りながら、いいオフィスを作っていきたいという意気込みがありました。

―大橋さんは、プロジェクトに参画した時点で、新オフィスの在り方や意義をどう考えていましたか?

大橋:私がプロジェクトに入った時、新オフィスのコンセプトや在り方はすでに定義されていました。一つは計画的偶発性を引き寄せる「セレンディピティ」を生む場所であること。それを聞いた時、とても素敵なコンセプトだと感じました。でも前提として、オフィスに社員がいなければセレンディピティは生まれません。ですので、まずは社員が出社したくなるようなオフィスを作りたい、という想いを抱きました。
リモートワークを経験した人にとって、出社の魅力は薄れました。洗練されたエントランスやお洒落なラウンジなどを設えて、ハード面が優れたオフィスを作っても、出社してもらえないのではないかと危惧しました。

―単にビジュアル面だけが整ったオフィスにはしない、という考えが生まれたんですね。

大橋:はい。そこで、社員に「どう働いてほしいのか」という点を基軸に、新オフィスの在り方を突き詰めていきました。私がプロジェクトメンバーになった時点で、新オフィスのグランドコンセプトも策定されていました。それが「4 EVOLUTiON(※2)」。これらをオフィスの設備やデザインに、具体的に落とし込んでいくことも重要だと思いました。
私が副本部長を務めるグループコミュニケーション本部の役割の一つに、CARTA HOLDINGSのカルチャーの浸透やビジョンの推進があります。その役割を担う部署の一員として、オフィスにもカルチャーやビジョンを体現しなければならないという使命感もありました。所属する事業会社が違っても、CARTA HOLDINGSで働く仲間同士みんな顔見知りで、絆を深めてほしい。そしてリアルのコミュニケーションで育んだ一体感やエネルギーを、仕事や事業に活かしてほしい。そういう視点を基に、プロジェクトを進めていきました。

※2:4 EVOLUTiON
①For me 生産的でクリエイティブな、進化に繋がる作業空間 
②For team 絆が生まれる、進化のきっかけとなる交流空間 
③For us 偶発的な出会いで、進化の渦を巻き起こすコラボレーション空間 
④For people & future そして、それらが人と未来を拓いていくために 

完成しないのが進化。あえて余白を残した壁を、これから彩ってほしい。

―新しいオフィスの特長的な設備について教えてください。

岡田:CARTA HOLDINGS様のミッションである「進化」というコンセプトを視覚的に表現できた場所は、36階のエントランスではないでしょうか。「CARTA HOLDINGS」のブランドロゴから「The Evolution Factory」のミッションへと続く壁一面のデザインで、進化のプロセスを表しました。
それらをグラデーションになるようデザインすることで、CARTA HOLDINGS様が進化推進業を担う会社であることを、社内外の人に対して分かりやすく伝えられると思いました。

壁と一言で言っても、いろんな要素で成り立っています。下地の骨組みがあってその上にボード、仕上げが貼られ、何層も構成されている。
特にこだわったのは、「The Evolution Factory」のロゴを掲示している壁面のマテリアルです。この部分に使用した、溶融亜鉛めっきリン酸処理が施された金物は、リン酸に浸けると化学反応によって素材そのものに変化が起きます。そうした特性を持つ素材を使うことが、進化の過程とマッチすると感じたのです。

大橋:溶融亜鉛めっきリン酸処理が施された素材は、私も直感的に使いたいと思ったものでした。新オフィスをつくるにあたってさまざまな場面で意思決定をする時、「可愛い」「格好いい」といった主観的要素で決めるのは、あまり良くないと感じていました。
素材一つ選ぶにも、意味や理由に基づいて決定したいと考えるこちらの気持ちを、船場様がくみ取って提案してくださったので、とてもありがたかったです。無駄なものは一切なく、すべてのものには意味があります。

―関口さんがこだわった部分はどこですか?

関口:私が担当した執務・会議室フロアの設計においても、進化を表現することに注力しました。
今回新オフィスの設計を進めるうえで、CARTA HOLDINGS様とは「進化」というテーマを何度も議論してきました。その中でCARTA HOLDINGS様の定義する進化というのは、ある事象を境に急激に変化することではなく、枝分かれするように時間をかけて変化していくことだという再発見がありました。その発見に基づいて、執務・会議室エリアの設計にも取り組んでいきました。会議室の内側は、あえて最小限の要素で成り立たせ、その後CARTA HOLDINGS様が手を加えられる余白を残すことで、少しずつオフィスを変化・発展させていける空間にしました。

―後からカスタマイズしていける設計にしたのですね。

関口:はい、新オフィスのコンセプトは、進化を身近に感じられる「完成された未完」です。このコンセプトを体現できるよう、変化や進化ができるきっかけを作り、アップデートする余白を残しました。進化を助長するきっかけとして多くのスリットを設け、アタッチメントと称した掲示板であったり様々な造作を取り付けられる仕様にしております。壁においても、ボード素地の状態を仕上げとしました。壁の内側も一般的には何かしらの色を塗ることが多いですが、私たちが色を塗ってしまった瞬間に進化が止まってしまうような気がしました。手つかずの壁にすることで、今後CARTA HOLDINGS様の皆さんが運用する中で、壁の色や装飾で自分たちのカラーを加えていけば、オフィスにも進化を表現し続けられる。そう思い、このような設計に至りました。

※3:新オフィスの設備に関しては、こちらの案内もご覧ください

5年後10年後、進化を遂げたこのオフィスに出合えることに期待を抱いて

―プロジェクトの中で、苦労したことを教えてください。

大橋:数多くの決定事項があるにもかかわらず、判断基準が不明瞭だったことです。複数のメンバーがいるプロジェクトにおいて、色やデザインを決める際、どうしても個々の主観や好みが絡んでいました。特に「デザイン」と聞くと、多くの人がビジュアル面に意識を向けがちですが、ビジネスを進化させるための機能を生み出すこともデザインの一つです。今回の新オフィスに関しては、後者の役割をデザインととらえる必要があると感じました。
この課題を解決するために、4EVOLUTiONを厳密に言語化して判断基準を明確に定義しました。たとえば、「この機能があったら仕事に集中できるから、『for me』に当たるんじゃない?」といった具合です。

岡田:正直、膠着状態が続き納期も迫っており、苦しい時期もありました。そんな時大橋さんが参画し、俯瞰した立場からプロジェクトを見ていただきました。大橋さんがコンセプトの意味を追究してくださったおかげでさまざまなことが一気に進みました。

―障壁を乗り越えて、プロジェクトが完成し、やっと新オフィスが見られた時の想いを教えてください。

関口:完成とはいえ、ここからがスタートだという気持ちでした。これからCARTA HOLDINGS様がアップデートを繰り返し、機能的なアタッチメントを増やしていくことで、オフィスの利便性を向上させていくことを期待しています。今はまだ想定していないアイデアも今後生まれてくるだろうと思うので、どんどん空間を進化させていってほしいです。数年後、このオフィスが今と同じ姿であるとは思いません。むしろまったく違う顔の進化したオフィスになっていたら嬉しいです。

岡田:オフィスが進化していく未来を見据えて、仕組みやデザインを考え、空間作りに取り組みました。今後活用が始まり、5年後10年後を迎えた時、「こんな進化の形があるのか」と衝撃を受けるような、新しい空間に出合えることを楽しみにしています。

大橋:いい意味で、想定以上に余白があると感じました。意図的に仕掛けた余白や計画的に配置されたエリアはもちろん素晴らしいのですが、それだけでなく、まだ手つかずで、何かができそうな場所が多くある印象です。
この余白が、これからどのように活用されるのか、そこからどんな新しいアイデアやプロジェクトが生まれるのか、想像するとワクワクします。新オフィスには未知の可能性が広がっていると思うので、自分たちの手で進化を体現した空間を創造していきたいですね。

―オフィス移転を果たした今、思い描くこれからの活用法を教えてください。

大橋:船場様のご尽力もあり、当社が目指す「進化」を浴びることができる、素晴らしいオフィスになりました。だからこそ、私と同じように社員にも愛着を持ってもらいたいです。それには、社員自身がオフィス作りを自分事ととらえ、アイデアを出し、作り上げていく経験を重ねることが重要。その経験が、オフィスひいては会社に愛着を持つきっかけにもなると思います。
またハードだけでなくソフト面の工夫も必要だと実感しています。来期から、グループコミュニケーション本部の一員として「UNITE委員会」を設立し、オフィスや社員の活性化を図る活動を展開する予定です。オフィスにお弁当が届くランチ補助やお酒が楽しめるスペースでのイベントなど、ハードとソフトのハイブリッドなアプローチを検討していきます。36階には交流が生まれやすい場所がたくさんあります。風通しの良いオフィスで仕事ができることはもちろん、予測できないセレンディピティが生まれる空間だと確信しています。

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