事業の進化
チャンスに満ちた成長市場、支え合えるチーム。売上130%成長を続ける統合動画局の組織づくりとは。
最優秀マネージャー賞受賞の加藤雅康に聞く

このチームを率いるのは、半期に一度の社内表彰の場「CARTA EVOLUTiON AWARD」で最優秀マネージャー賞を受賞した経験もある、加藤雅康です。この領域に今飛び込み、働くことで得られる経験とは?また、加藤が大切にしているチームづくり・マネジメントの指針は?インタビューを通じて明らかにします。

加藤 雅康
Masayasu Kato
株式会社CARTA ZERO
ブロードキャスティング管轄 統合動画局
局長
設立から5年でCARTA ZEROの成長を引っ張る存在に
―はじめに、統合動画局の概要を教えてください。
動画広告を専門的にプランニングする部署です。具体的にはTVerやABEMA、Amazon Prime Videoなど、幅広いプラットフォームを活用して、クライアントのKPI実現のために広告を設計・提案します。株式会社電通のラジオテレビビジネスプロデュース局動画業務推進部と協業しており、クライアントにとって最も効果的な動画提案ができる体制を整えています。
役割分担としては、電通の営業が最前線でクライアントに向き合い、彼らからの与件をもとに、動画業推メンバーとしてメディアプランニングを担います。場合によっては営業と一緒にクライアント先に出向き、動画広告のプロとして提案することもあります。
―加藤さんはこの部署を5年前に立ち上げて、今は局長としてメンバーを率いていますね。
はい。初期メンバーは5人でしたが、現在は20人を超えるまでに拡大しました。右肩上がりの動画広告市場に合わせ、組織として着実に成長しています。
日本の動画広告市場は、2023年に6,800億円、2024年に8,400億円、そして2025年は9,600億円と拡大を続けています。私たちはその中で圧倒的なシェア獲得を目指しています。
動画の中でも私たちがよく取り扱うのが、プロが制作したコンテンツが流通しているTVerやABEMAといったプラットフォームです。動画コンテンツとしてはYouTubeやTikTokが成長し、一般の生活者が制作したコンテンツに注目が集まっています。その一方で広告の出稿先という観点では、プロが制作したコンテンツに回帰する動きも見られます。ブランドとして安心できる面に広告を出稿したい、というニーズがあるためです。
統合動画局としては、売上年率130%成長という目標を立て、毎年クリアしています。メンバー1人あたりが稼ぎ出す額も大きく、CARTA ZERO全体の成長にも貢献できていると思います。
マネージャー志望の若手を後押しする仕組みを新設
―さまざまな数字から、統合動画局の勢いを感じます。チームはどのような雰囲気ですか。
とにかく前向きな人たちです。マネージャーを目指すメンバーが多いのも特徴で、日々の会話の中でも「将来はマネジメントをやってみたい」「部長を目指したい」という言葉が出てきます。実際に、29歳でグループリーダーになったり、30歳で部長に昇進したメンバーもいます。
私の役割は、意欲を持つ人がキャリアを積めるような環境を積極的に作ることだと考えています。たとえば2025年から「グループリーダー」という新しい役割を用意しました。マネージャーや部長になる準備として、小さなステップを踏めるようにしたのです。

―マネジメント職に興味があるメンバーは、これまで以上に早いタイミングで挑戦できるようになったのですね。チームづくりにおいて大切にされていることはありますか。
少しでも気軽に話せる雰囲気を作ることを大切にしています。130%成長やマネージャーを目指すと言っても、殺伐としているわけではありません。困ったときには相談やヘルプをし合える関係ができています。
このようなチームにしたいと考えたのは、これまでの経験を踏まえてのことです。私が最初にマネージャーを経験したのは20代の頃でした。当時は数字を作ることに追われ、メンバーと十分に会話できず、組織としての一体感を作れませんでした。
統合動画局を立ち上げた直後も、ベンチャー企業的な空気で、とにかく売上を上げて組織を成立させなければと必死でした。メンバーの年齢も比較的高く、それぞれが属人的な動きで、目の前のクライアントに対応していました。
ただ、本気で仕事をしていると、当然悩むこともありますし、時には疲弊もします。そうしたときに抱え込まず、助け合える環境を作らなければ、チームとして持続できません。今は誰かが困れば自然に誰かが手を差し伸べるので、新しいメンバーにも安心して入ってもらえると思います。
―メンバーで協力し合い、それぞれの強みを掛け合わせながら力を発揮していく掛け算的なチームづくりは、CARTAという会社のカルチャーだと思います。統合動画局はそれをよく体現しているように見えます。
そうですね。個人が別々に戦う足し算的なチームづくりよりも、助け合い、皆で楽しみながらチームとして成長していくあり方を大切にしています。
野球やサッカーなど社会的にも注目が集まる大型中継の際には、皆で力を合わせて案件獲得を目指します。テレビをはじめとするコンテンツが好きなメンバーも多く、観た番組に関して話が弾むこともあります。

出向時の経験や人脈を活かして部署を立ち上げ
―加藤さんご自身はどのようにして、現在のキャリアにたどり着いたのでしょうか。
私は新卒からずっと広告業界で仕事をしています。新卒で入社した総合代理店を経て、2011年に株式会社サイバー・コミュニケーションズ(略称CCI、現:株式会社CARTA HOLDINGS)へ転職しました。
当時CCIでは電通に営業として出向できる枠組みがあると知り、採用面接で「ぜひ行かせてほしい」とお願いしました(笑)。異例ではありましたが入社の1カ月後に電通に出向させていただき、デジタル広告専任の営業として業務にあたりました。
そこから7年間電通の最前線で過ごした後、CCIに戻りTikTokの日本市場での広告事業立ち上げに関わりました。その後、現在の統合動画局の立ち上げに至ります。振り返ってみると、在籍した14年のうち8〜9割は電通のどこかにいましたね。そこで様々な方と出会い、経験も積み重ねることができました。
―その出会いや経験があって、電通との連携が重要な今の仕事につながるわけですね。
そうです。「動画を活性化させる取り組みを立ち上げるから、来てほしい」と声をかけてもらい、初期メンバーの1人として統合動画局に入りました。クライアントに近いポジションで働ける今の環境は、自分に合っていると感じます。

数字は宿命、だから『愉しむ姿』見える化で好循環
―マネージャーとして大切にしていることはありますか。
「上司自ら愉しんで仕事をしている背中を見せること」が、チームを前向きにする一番の方法だと思っています。これはマネージャーの在り方として私が大切にしていることでもあり、全社スピーチをしたときにも周囲に呼びかけました。「マネージャーが暗かったら誰もついてこない!」と。皆の前でこんなことを言うのは恥ずかしさ半分でしたが、本心からそう思っています。
逆にやらないこととして、やりがいや楽しさを、1から10まで全て提供しようとはしていません。何をやりがいと感じるかは人それぞれですし、「これを与えたから楽しくなる」というものでもないと思っているんです。そうではなく、「どんな状況でもやりがいや楽しさに変えることはひとつのスキルだと思う、達成感があると思えるものを自分で見つけよう」と言っていますね。
その代わり、私が率先してそのような姿を見せるようにしていますし、メンバーにも「愉しんでいる姿を見せてほしい」と伝えています。結果、周囲は感化され、それが伝播していくはずです。
―愉しむ姿勢を大切にしつつ、結果も出し続ける。どうすればそんなチームになりますか。
「数字は宿命」とよく言っています。たとえば私のチームではメンバーごとに獲得額のランキングを出しています。順位を気にしてほしいわけではなく、自身のバロメーターとして活用してほしいと考えています。数字が見えると、どこかで「気を抜いてはいけない」と気持ちを切り替えるきっかけになったり、推移を追うことで気づきがあったりしますよね。
会社にいる以上、「自分の給料は自分で稼がないといけない」「当たり前にもらえるものではないのだ」というのを忘れないようにするためにも、数字は意識するようにしています。ただそれだけだと息が詰まるので、楽しくやろう、というのが、先ほどのチームづくりの話につながってきますね。

統合動画局で得られる、「宝物」になる経験とは?
―統合動画局の仕事の魅力について教えてください。
最大の特徴は、テレビとデジタル動画を統合した高度なプランニングに携われることです。TVerやABEMAなどを扱いながら、地上波テレビCMと組み合わせる「テレビ×デジタル」という提案の機会が増えています。まだ業界全体でも正解が見えていない領域で、私たちも電通とともに模索している分野です。この経験は、この業界にいる限り「宝物」になると思っています。
スケールの大きな仕事に携われるのも魅力です。クライアントは大手ナショナルクライアントが中心です。もともと地上波の部局から始まった部署という背景もあり、今は名だたる企業の案件に、チーム全員が関わっています。
また、かつてデジタル広告は、商品購入などの直接的なアクションを誘発する用途で使われることが多かったと思います。一方、このチームで扱う案件には、認知拡大やブランディングを目的としたものも多くあります。このような案件の広告プランニング経験を積めるのも魅力です。
―統合動画局で働くことで、どんな力が身につくと思いますか。
一番は「コーディネート力」だと考えています。この仕事は、クライアント、営業、メディア、社内メンバーと多様な立場の人を巻き込み、落とし所を見つけて着地させていく必要があります。点ではなく面で物事を捉え、主体性を持って全体を調整する力がついていきます。これさえあれば、どんな場面でも通用するはずです。
先ほどマネージャーを目指すメンバーが多いという紹介をしましたが、それ以外にもメディアプランナーとしての専門性を高める道もありますし、幅広いキャリアパスを描けることが、ここで働く大きな魅力です。

組織をさらに成長させ、クライアントのニーズに応えたい
―チームとして、次にどんな「進化」を目指しているか教えてください。
もっとメンバーを増やしたいですね。市場が成長している今、クライアントからのご依頼が次々と舞い込んできます。正直、現在の体制では対応しきれず、お断りするケースも出てきているほどです。この成長機会を最大限に活かすためにも、チームの体制強化は急務だと考えています。
チームが拡大していけば、たとえばマネージャーを目指す人にとってはマネジメントを経験できる機会も増えるでしょう。成長市場でビジネスを拡大していく過程では、新たなリーダーが必要になる場面が必ず訪れます。次年度以降も、意欲のある人がそうした機会を掴めるよう、新しい仕組みを作りたいと考えています。
―このチームで仕事をする人にはどんなことが求められますか。
最初から特別なスキルは必要ありません。大事なのは「前を向いているかどうか」です。お互いが目指すべき方向性に合意できていて、そこに対して日々前向きに取り組める方を歓迎します。もちろん、明るさやコミュニケーション力はあるに越したことはありませんが、誠実さと感謝の気持ちを持っている人であれば、必ず成長できます。そういう人と一緒に挑戦していきたいですね。
―最後に、加藤さんご自身が今後キャリアにおいて成し遂げたいことをお聞かせください。
規模を大きくするとともに、より良い雰囲気のチームを作っていくことです。そして、わがままかもしれませんが、仲良く楽しくメンバーと仕事を続けていきたい。それがこの会社で仕事をする上での生きがいです。新卒で入ってきたメンバーの顔つきが、1年、2年で大きく変わっていくのを見ると本当に嬉しくなります。壁を乗り越えて成長していく姿を見せてもらえることは、大きな喜びですね。
