事業の進化
かつて教員を志した青年はなぜ、事業の可能性を創るミッションに挑むのか
人生をかけて「影響力」を追求したいと思った


川島 拓馬
Takuma Kawashima
株式会社CARTA COMMUNICATIONS
第1メディアビジネス・ディビジョン
ディビジョン・マネージャー
2020年4月に帰任し、ECに特化した広告代理店である株式会社Barrizの立ち上げに参画。2023年1月株式会社Barriz代表取締役に就任。
2024年1月より現職。CCIの大手プラットフォーム、ソーシャルメディア、eコマースの領域を統括。
中学時代の恩師に魅せられた「影響力」がすべてを決めた
―新卒でCCIに入社されましたが、志望理由は何でしたか。
川島:大学生のときに受けた広告を題材にした講義の影響で、多くの人の人生に影響を与える広告の世界に関わりたいと思いました。なぜ人に影響を与えたいのか?というと、中学時代まで遡ります。
実は学生時代の途中まで教員を目指していました。きっかけは、中学生のときに出会った教諭です。その先生は病をおして文字通り命がけで、粘り強く生徒に向き合っていました。生徒の中には、生きづらさを抱えて、ときに荒れてしまう人もいます。そんな生徒に全精力を傾けて指導するのですが、情熱的に声を出すだけでも病気のせいでその場にうずくまってしまうのです。ハラハラする光景に何度も居合わせました。でも月日が経ち、指導を受けた生徒たちが前向きに人生を歩み始めるのを目の当たりにして、衝撃を受けました。「人に影響を与える仕事をしたい」と思うようになり、人に教えるのも好きだったので、教員を目指しました。教員免許も持っています。
教員を目指していたある日、先ほどお話したように広告を題材にした講義の影響で、広告が持つ影響力の大きさに魅入られている自分に気づきました。広告の世界で自分がどこまで人に影響力を発揮できるか、試したい。実業界で経験を積んだら、もっと影響力のある教員になれるかもしれない。そんな気持ちがわいてきて、新卒で広告業界を、その中でも関われるステークホルダーが多いメディアレップであったCCIを志望し、入社して今に至ります。
影響力の高い自分づくりと職務の追求
―「影響力」を求めた気持ちは入社以後、どうなりましたか。
川島:変わっていないですね。その気持ちはさらに強まっています。
CCI入社後は広告代理店に出向し、営業の現場でクライアントに対して価値を発揮する経験を積ませていただきました。
一方でより多くの人に影響を与えられるようにマネージャーになりたいと思っていました。またクライアントに対峙するなかで、経営者視点の必要性も感じていました。
これらの課題が叶うように、期待以上の結果で応えながら機会をうかがいました。運も味方して、出向先から帰任するタイミングで新規事業のプロジェクトに関わり、やがてマネジメントも経験させていただき、ここまできました。
仕事を通して発揮できる影響力の範囲は確実に大きくなり、高まるやりがいと責任の重さは、まさに求めていたものです。

会社の明日をつくる「ゼロイチ」の挑戦
―現在の担当領域について教えてください。
川島:メディアやプラットフォーマーの広告販売パートナー事業をやっています。メディアやプラットフォーマーは広告によって収益を得ていますが、それぞれが持つプロダクトを、CARTAの持つアセットと組み合わせて、広告主や広告会社へ付加価値を乗せて提供できるように私たちが企画営業するというものです。私の部署では主に「メガプラットフォーム」と呼ばれる巨大メディアを担当しています。GoogleやTikTokなどのほか、Amazonなど通販のプラットフォームもこれにあたります。
今や広告市場の伸びを支えているのは、これらメガプラットフォームですので、成長市場を相手にできるエキサイティングな仕事です。
―「メガプラットフォーム」を担当する第1メディアビジネス・ディビジョンでは、何を目指しているのでしょうか。
川島:広告主、広告会社、メディアやプラットフォーマー、それぞれに対してCCIが介在する価値をつくる挑戦をしています。
背景として、事業環境の変化があります。ドッグ・イヤーと言われるこの業界で過去と同じサービスを提供し続けていては「もう自分でできるからCCIはいらない」と言われてしまいます。「なぜCCIなのか」という介在価値をつくる。約60名のメンバー全員が価値を構築するために顧客を深く理解し、より高次元な解決能力を提供できるように日夜努力しています。
そういう意味では、「ゼロイチ(0→1)」の挑戦をやっています。
モヤモヤを推進力に
―このミッションを進めるにあたり、マネージャーとして気をつけていることはありますか。
川島:この取り組みはやりがいはありつつも、ハードな面もあると思っています。それは、CCIの歴史のなかでも、アイデンティティの転換期だからです。「新しい挑戦をしよう。でも、一体どこに向かっているのか?」とメンバーがモヤモヤしてしまうこともあると思います。
モヤモヤするのは健全なことです。そのモヤモヤを前向きな推進力に変えることが、この局面で私たちマネージャーに求められていると思っています。
私自身は、「どこに向かうのか?」を最前線で作る機会をいただいたと思っています。

挑戦者であり続けるために、「心配性になれ」
―仕事で大切にしている考え方はありますか。
川島:仕事で大切にしているのは、「心配性になれ」という言葉です。これは営業担当時代に同僚にもらった言葉です。
当時私は、食品・飲料でシェアトップの外資企業を担当していました。常識にとらわれない発想のクライアントに対して、私は専門家としての常識を押し付け、リスクを排除することを重視した提案を続けてしまいました。やがてクライアントからは「パートナーとして価値がない」とまで言われる始末。ショックでした。
それまでの自分を反省し、クライアントのやりたいことの実現を第一に考えたうえで、リスクをコントロールする提案を真正面からお話するようにしました。すると関係構築もすすみ、やがて非広告領域も含めてお任せいただけるようになりました。成果が認められ、CCIの全社MVPも受賞することができました。ありがたいことに、クライアント企業の社内サイトにも単独インタビューを掲載いただきました。
「心配性になれ」というのは、本質を追求し、最上を追い求めるための問いを生む考え方です。たとえば、「この仕事は本当にこれでよいのか?この先にクライアントの本当の満足があるのか?」のような心配です。これに答えることで真の価値につながるストーリーが生まれてきます。
仕事に対して、「これでいいや」と思ったらおしまいです。自分で気づいていないだけで、成果を出す人はみな心配性だと思います。

真っ先に相談されるパートナーになりたい
―今後はどのような挑戦をしていきたいですか。
川島:プラットフォーマーの方々が悩んだときには真っ先に相談していただけるパートナーになりたいです。そんな存在になっている自分たちを想像すると、ワクワクしますね。
CCIにはこれまで先輩方が築き上げた強力な資産があります。それはこれまで築いたネットワークです。業界内外で名前を出せば向き合ってくださったり、「力を貸そう」と言ってくださったりする関係先がたくさんあります。本当にありがたいことです。
さらに、CARTAグループのデジタルマーケティング系企業は間もなく統合し、新たなスタートを切ります。これまで以上に、顧客に対して価値提供ができる体制が整います。
私たちはこれらの資産を活用して独自の価値を生み出し、業界にお返しするという挑戦を続けていきたいと思います。
