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カルチャーの進化

ロールモデルがいないと悩むあなたへ

~苦しんだ日々から一歩踏み出せたきっかけ~

「ロールモデル」の存在がキャリアの形成や自己成長に不可欠と言われることも多い現代。
明確なロールモデルを見つけることができず、悩む方も多いと思います。
先日、CARTA HOLDINGSグループのD&I推進を統括する梶原が、自身の経験を通してどう自己成長につなげていったのか、社内ブログでメッセージを配信し、多くの反響をよびました。その内容に一部加筆を加え、ロールモデルが見つからずに悩みを抱えている方へ、梶原からのメッセージをお届けします。

梶原 理加

Rika Kajiwara

株式会社CARTA HOLDINGS
執行役員 グループコミュニケーション本部長
D&I推進室 室長

2003年㈱サイバー・コミュニケーションズ(現CARTA HOLDINGS)入社。入社以来広告企画・セールス、データマネジメント事業の立ち上げ、広報など幅広い業務に従事。2023年1月㈱CARTA HOLDINGSの社内外広報を担う執行役員 グループコミュニケーション本部長に就任。また、D&I推進室室長として、CARTA HOLDINGSグループのD&I推進を統括する。

私がCARTAのD&I領域を担当して今年で2年目になりますが、よく「ロールモデルがいない」という社内の声を耳にすることがあります。
「ロールモデルがいないので、この先働くイメージがわかない」と。
そこで、今日は「ロールモデル」についての私の考えを書いてみたいと思います。

ロールモデルがいない、ということとは?

「ロールモデル」という言葉の定義を改めて、調べてみました。

  1. ロールモデルとは、社員が目指したいと思う模範となる存在であり、そのスキルや具体的な行動を学んだり 模倣したりする対象となる人材

だそうです。

※出典:厚生労働省 メンター制度導入&ロールモデル普及マニュアル

自分自身を振り返ると、そういった「ロールモデル」というような代表的な存在はいませんでしたが、仕事をする上で、上司や周囲のメンバーの良いところを参考に、自分の中に取り込んできました。きっと、これは私だけではなくみんな、周囲から良い影響を受けながら、自分の成長に繋げていっているのだと思います。

そういう意味では、「ロールモデルがいない」ということ自体が本質的な悩みというよりは、

  1. 困難や障壁があるけれど、それをどう解決すれば良いかわからない。
  2. 共感してくれる人が周りにいない。悩みを吐露できない。
  3. 自分がどこに向かえばいいかわからない、迷っている。今の自分に不安がある。

こういうことなのではないでしょうか?

私の経験

自分の経験をお話しすると、私はライフステージが大幅に変わったタイミングで仕事を続けていくことに挫折した経験があります。子どもが3人いるのですが、育休明けは、大抵大変なものです。ただ、3人目の育休明けは、それまでとレベルが違ってとても辛かったです。

当時、子どもたちは、7歳、2歳、0歳だったのですが、保育園が遠く、電車で通っていました。抱っことおんぶの二重抱きで保育園に連れていき、帰りは途中下車して小学生の学童に迎えに行き、3人を連れて帰る毎日。

一方、仕事では16時半までの短時間勤務をしていて、周りの人に頼ってしまうことの申し訳なさでいっぱいでした。

また、育休前はマネジメント職でしたが、チームメンバーとして復帰しました。その時の自分のミッショングレードに見合った成果が出せているかも自信がなく、上司に評価を下げてほしいと直談判したくらい、自己肯定感も下がりました。

誰かに相談したい!同じような人がいたら、話したい!と思っていたのですが、周りにはいなそうで、誰かにいうことで愚痴に聞こえてしまうと嫌だなという気持ちもあって、とにかくネットで、「育児 キャリア」といれて調べる日々。どうやったら自分の状況を打破できるのか、誰か教えてほしいと心底思っていました。

今思うと、これが「ロールモデル」がほしい状態なのだと思います。

ネットを調べても、しっくりくる答えに出会わなかったのですが、一つ良い経験をしました。「悶々とするくらいだったら、行動しよう」と思って、キャリアコンサルタントの方と話をしたことがあります。

その時に言われたのが、

「情報を整理する力はありそうですが、Willがないですね」

という言葉です。Willとは、自分の意思です。

この言葉は、かなりグサッときました。「なぜ、キャリアに悩んでいるのですか?」という質問を受けたのですが、「育児が大変」「通勤で時間がない」「職場で、重要な仕事を振ってもらえない」自分が発する言葉が全て他責だと、話すうちに自分でも気づき、とても恥ずかしくなったことを今でも忘れません。

この先、変わる覚悟も、変わらない意思も、自分のビジョンもない、ということを見透かされているな、と。自分がどうしたいのか見えてないから苦しいんだと。

他人軸ではなく、自分軸で考える

それからは、自己認識と内省を繰り返して、目標を作ることで、なるべく自分の足元、目の前にあることに集中することが、少しずつですが、できるようになってきました。
具体的には、ストレングスファインダー(※1)やエニアグラム(※2)で自分のことを客観的に知ることからはじめ、次に、Will、Can、Mustを言語化していきました。
そして、最後に自分と家族の年齢を全員分年表に書き出して、いつのタイミングでどうなっていたいかをじっくり考えるというステップを踏みました。

その時に一番下の子どもが小学生になる2024年に、自分のようにキャリアで悩んでいる人の力を結集させて、人の力を開花させられるような事業を立ち上げたい、それまでの数年間は焦らずに、必要な知識やスキルを蓄える期間にしようという目標を立てました。

目標にしていた2024年の今、事業という形ではありませんが、D&Iという同じように人の可能性を拓いていく重要なミッションを推進する役割を担えていて、とても充実した日々を過ごすことができています。

今後の自分のビジョンに関しては、はっきりしているかというと、それほど鮮明なものはなくて、迷うことも多々あるので偉そうなことは言えませんが、もしロールモデルがいなくて悩んでいる人がいれば、「誰かがいう理想の未来」や「正解を求める」のではなくて「自分が得たいこと」「幸せを感じること」を問い続けることをおすすめします。

大きな一歩が踏み出せないときは、まずは、目の前の仕事で着実に結果を出すことをやっていくというのも一つの選択肢です。小さな結果でもいいのです。

そこから見えてくるものがあるはずです。

※1:クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは、アメリカのギャラップ社が開発した強みを知り・活用するためのアセスメントツール
※2:エニアグラムは人の性格を9つのタイプに分け、自分の性格や特徴を診断するツール