事業の進化
フロントセールスと若手社員が見たスケールアップの過程。「助け合うカルチャーがATRACを成長させた」
躍進を支えたのは、“仲間のために”が自然と行き交う組織力
大川 貴弘
Takahiro Okawa
株式会社ATRAC
第一営業本部 第一アカウント局 局長
杉原 敦洋
Atsuhiro Sugihara
株式会社ATRAC
第二営業本部 第二アカウント局
――お二人は2020年にATRACへ配属されたと聞いています。ジョインした経緯を教えてください。
大川貴弘(以下、大川):2008年のCCI入社以降、メディアや放送局などで経験を積み、直近ではテレビ番組の動画配信サービスの広告事業にも携わっていました。そんなとき、ATRACの創業者であり代表取締役社長でもある三和さんに、「異動してこないか」とお声がけいただいたんです。共に電通へ出向して以来、長くお付き合いさせてもらっていた三和さんは、私が尊敬する一人。また一緒に働きたいと思い、ジョインすることにしました。
杉原敦洋(以下、杉原):私は新卒で入社後の配属先がATRACでした。CARTA HDには、配属決定前の新入社員が各事業部の社員と面談して会社のことを深く知れる機会があります。そこで三和さんと話し、「頭の回転が早い人」だという印象を抱きました。当時大川さんを含む3名の社員しかいないATRACをもっと拡大していくという話をしてくださり、三和さんの熱意と会社の可能性にワクワクして、配属希望を出しました。
――配属後は、どのような仕事に就いていますか?
杉原:職種としては営業をしています。今はD2C事業を手がけるクライアントを担当し、セールスとしてのクライアントコミュニケーションだけでなく、商品の認知拡大や販売促進を目指した広告配信の運用現場にも入り込み、携わっています。学生時代、Web制作/Webメディアのビジネスを個人で行っていたので、そのスキルを活かしてクリエイティブ制作に入らせてもらうことも多いです。
大川:私も営業で、何社かクライアントを持ち、マーケティング戦略などの提案をさせてもらっています。杉原のようにマルチプレイヤーではなく、私は完全に営業のみです(笑)。
杉原:いやいや(笑)。大川さんのクライアントは組織の大きさも提案内容もスケールが違いますから。
――お二人とも営業なんですね。クライアントとコミュニケーションを図る際、心がけていることは何ですか?
杉原:一つは、スピードです。制作や運用の知識をある程度持ち合わせているため、クライアントからの相談にもその場で答えられる場合が多いです。単独で対応できる領域が広いという強みを活かして、いつでもスピードを意識し、フットワーク軽く行動するように心がけています。もう一つは、クライアントの本当の意図を想像し、本来の目的を引き出せるように努めること。成長に必要な課題として意識的に取り組んでいます。
大川:相手のモチベーションがどこにあるか見極めることは大事ですね。私も杉原同様、クライアントの言葉の裏にはどんな思いがあるのか、何を求めているのか、本質をキャッチアップするように心がけています。実現したいことや目的は同じだとしても、クライアントによってモチベーションは異なりますから。
――設立からの3年で社員数が2名から30名になるなど、ATRACは大きな飛躍を遂げていると聞きました。成長のポイントはどこにあると思いますか?
杉原:大川さんが、過去の取引先や長く付き合いのあるクライアントからの紹介によって、新規のビッグクライアントを獲得してきたことは、確実に成長要因の一つですね。
大川:そう言ってくれるのはうれしいけど、大きな案件をこなせるメンバーがいるというのが一番の理由じゃないかな。ATRACの社員は、自分の利益や功績を追い求めることに加え、誰かのために動くことができるメンバーが多い気がします。各自が持つプロフェッショナルなケイパビリティと横のつながりで助け合いながら前に進むチーム力があったから、ここまでやってこれたんだと思います。
杉原:確かに、自分が関わっていないプロジェクトの相談や質問にも、嫌な顔をせず自分事として答えてくれますね。大きな案件や複雑な提案だとしても、全社で協力して成し遂げられるのがATRACの強みかもしれません。あとはCCIとタッグを組んだ案件が順調に進んだんですよね。
大川:そうですね。CCIのブロードキャスティングディビジョンの平野さんと小林さんという方にご協力いただいて協業したプロジェクトをきっかけに、伸びた感覚はあります。ATRAC個社を超え、CARTA HDグループ間でのサポートも大きかったですね。
――メンバー間で助け合うカルチャーが根付いているとのことですが、普段から社員同士仲が良いのでしょうか?
大川:飲みに行こうと言えばみんな行きますし、先日野球観戦の計画をしたときも予想に反して社員の半分くらいが参加したりと、声をかけると自然と集まります。でもベタベタした仲の良さではなく、お互いのつながりを大事にしている雰囲気ですね。
杉原:お互いを受容する懐の深さを持ったメンバーが多い気がします。元トラック運転手や元小学校教諭など、多様なキャリアの社員がいるからかもしれません。どんなキャリアの人でも社の方針に共感する人間であれば強みを活かして活躍できる土壌がある。そこに魅力を感じています。
――個性的なメンバーが多いんですね。日々働く中で、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
杉原:やはりATRACのメンバーから讃えられたときです。大川さんや新卒時代から面倒を見てくれた先輩などと一緒に仕事をしたとき、「杉原やるなぁ」とか「すごいじゃん」と要所で言ってもらえると、少しは成長できているんだと実感できます。また、「ありがとう」と言ってもらえることもうれしいですね。誰かの役に立てたと実感できると、モチベーションが上がります。
大川:私も杉原と同じで、感謝の言葉をもらえることが一番うれしいです。普段からメンバーに伝えているのですが、当たり前のことをやっているだけではお礼って言われないんですよね。「ありがとう」の言葉は、自らの行動に対して特別なバリューを感じてもらえている証拠。相手への付加価値を意識することが、結果的に自分の喜びへとリンクするのだと思います。
――一方、ATRAC入社後に大変だったことは何ですか?
杉原:苦労話はいくらでも語れますが、1年目は特に大変でした。学生時代にビジネスをしていたこともあり、正直入社時は自信満々だったんです。しかし私がATRAC4人目のメンバーとして入った当時、在籍していたのは社長の三和さん、現取締役である福原さん、大川さんの3人。ずば抜けて仕事ができる人たちに囲まれて働ける恵まれた環境でありながらも、皆さんとのキャリアのギャップに落ち込むことばかりでした。一気に自信をなくし、もがき苦しんだのを覚えています。私の入社後にATRACへ配属となった兄貴分的な先輩から厳しくも的確に指導してもらいながら、少しずつ階段を昇っていくことができました。頻繁に相談にのってくれた大川さんの存在も心の支えでしたね。2021年の年末に開催されたATRACの社内表彰式でMVPに選んでいただいたときは、頑張りが報われた気がして喜びもひとしおでした。
大川:私も大変なことばかりです。でも社長の三和さんをはじめ、ATRACの仲間の存在は壁を乗り越える原動力になっています。「大きな案件を取ってくれば、少しでもメンバーに還元できる」とか「ここを踏ん張れば会社のためになる」という気持ちが大きいから、どうにか頑張れてこられたんだと思います。
――昨年の社内AWARDでは団体賞だけでなく大川さんが個人MVPを受賞されたと聞きました。どんな点が評価されたと思いますか?
大川:単純に売上を評価していただいただけですよ(笑)。
杉原:それだけではないです(笑)。私が言うのもおかしいですが、大川さんの営業スタイルは「ザ・営業」。実績を積み重ね、過去の取引先を大切にする姿勢が、先ほど話したビッグクライアントの獲得にもつながったと思います。一方、既存客だけに頼るのではなく積極的に開拓もされている。そうしたスタンスは、CARTA HDの営業職の皆さんにも参考になるポイントだと思います。大川さんは人を立てる天才で、いつ何時も誰とでも対等な関係を築く方。社内AWARDでは、数字はもちろん、大川さんが持つ関係構築力や愛される人間性にスポットが当てられていたと感じました。
――最後に、CARTA HDのミッション「The Evolution Factory」にちなんで、お二人は今後どのように進化・成長をしていきたいですか?
杉原:クリエイティブや広告運用の領域など、細部まで分かる営業というポジションが私の個性。それを活かして、社長の三和さんが日頃から言っている「ATRACをスーパージェネラリスト集団にしたい」という想いを体現できる社員になりたいです。とはいえジェネラリストになるには、戦略策定やクライアントとのコミュニケーションの取り方といった営業・プロデューススキルをより強化しなければなりません。常にクライアントと真正面から向き合い、人付き合いを大切にしてきた大川さんから、営業としてのあり方を学んでいきたいです。
大川:2022年1月より局長に就任し、マネジメントにも携わるようになりました。メンバーが成長できる環境作りや組織拡大にも注力し、会社を良い方向に持っていけるお手伝いができたらいいですね。クライアントとは引き続き信頼関係を築けるよう努めていきます。「ATRACに頼めば間違いない」。そんな安心感を与えられる会社であり続けたいです。