Corporate Site

EVOLUTiON

テクノロジーの進化

日本の技術革新を担うITエンジニア学生達が挑むピッチコンテスト「技育展2024」決勝大会レポート!

~「審査員泣かせ」と言わしめたハイレベルな戦いを制したのは、一体どの作品!?~

株式会社サポーターズ(以下、サポーターズ)は、2024年11月10日(日)、虎ノ門ヒルズステーションタワーのTOKYO NODE HALLにて、国内最大規模のITエンジニア学生向けピッチコンテスト「技育展(ぎいくてん)2024」の決勝大会を開催しました。学生たちの熱気あふれるイベント当日の様子をレポートします。

技育展とは?

ITエンジニア不足という社会課題の解決を目指す「技育プロジェクト」

DX化の遅れが懸念される日本。その要因の一つに、DXの中心を担うITエンジニアの人材不足があります。サポーターズでは、学年不問のITエンジニアキャリア育成プログラム「技育プロジェクト」を実施し、ITエンジニア不足という社会課題の解決を目指しています。今回開催された「技育展」は「技育プロジェクト」のプログラムの中の一つです。

「技育展」では、全国のエンジニアを目指す学生が、自ら開発したIT技術を用いた作品をプレゼンテーションします。これらを、日本を代表する技術者たちが審査し、その頂点を決めます。IT技術を用いた作品であれば、アプリケーションでもロボットでも何でも応募可能です。
総額300万円を超える賞金が用意されていますが、参加する学生たちのモチベーションは賞金だけではありません。自分の作品をより多くの人に知ってもらいたい。トップエンジニアである審査委員からのフィードバックをもらうことで自分の作品に磨きをかけたい。そういった、「ITエンジニアとして成長したい」という強い気持ちで、コンテストに挑んでいます。

過去、技育展への出場が後押しとなって学生起業を志し、地元地域への経済貢献を目標とする夢ある学生なども誕生しています。

決勝大会には厳しい予選を勝ち抜いた36チームが集結

「技育展」の参加資格は、日本国内在住・在学の学生や海外在住の日本国籍の学生であること。学校種別や学年を問わず、多様な学生たちが集っています。決勝当日は、全国各地から集結し、スーツケースを引いた学生の姿も多く見られました。昨年2023年大会では、海外在住者を含む小中学生の混合チームも参加するなど、その参加層の広さが特徴です。

2024年9月17日に始まったオンライン予選大会では、第1回戦と第2回戦を通じて総勢120組がエントリー。厳しい予選を勝ち抜いた36チームは作品のブラッシュアップを続け、決勝に挑みます。

 

オープニング

「技育展2024 決勝大会」の幕開け

照明が落ち、舞台にスポットが当たり、司会の2人が登場。技育展2024 決勝大会が始まります。司会はサポーターズの代表取締役社長である楓と技育プロジェクト プロジェクトマネージャーの加藤が務めました。

多角的な視点で評価する審査体制

審査員は10名。CARTA HOLDINGSからは、執行役員CTOである鈴木が参加しました。

■審査員一覧(敬称略/順不同)

株式会社CARTA HOLDINGS 執行役員CTO 鈴木 健太
GMOインターネットグループ デベロッパーエキスパート 成瀬 允宣
株式会社サイバーエージェント CTO統括室
株式会社CyberZ CTO
中村 智武
ウィングアーク1st株式会社
Data Empowerment事業部 技術戦略統括 DE開発統括部 統括部長
橋田 哲尚
株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 岩田 真平
株式会社ゆめみ 象徴社長 酒尾 快都
株式会社LayerX 部門執行役員 バクラクVPoE 小賀 昌法
株式会社MIXI 執行役員 CTO 開発本部長 吉野 純平
フューチャー株式会社(フューチャーアーキテクト株式会社)
フューチャーアーキテクト株式会社シニアパートナー
柴田 健一
パーソルキャリア株式会社 CTO兼エンジニアリング統括部エグゼクティブマネージャー 岡本 邦宏

審査員には各自10点の持ち点があり、合計100点満点で採点。審査基準は作品の価値、作品の完成度、技術レベルの3点です。合計点数が最も点数が高かったチームが優勝となります。

 

プレゼンテーション

中断・延長は一切なしの真剣勝負の3分間がスタート

オープニングが終了すると、会場内がピリッとした空気に変わりました。いよいよプレゼンテーションが始まります。発表するチーム全員でステージに上がり、プレゼンテーションを行います。1チームの持ち時間は3分。途中の中断・延長は無し。真剣勝負の3分間が始まります。

業界やジャンルも様々な、多様な作品たち

エントリーされた中から、予選でも注目度の高かった作品を抜粋してご紹介します。たとえば、すでにリリースしておりダウンロード数を順調に伸ばしているアプリ。自身の趣味や活動を通して感じた課題を解決するためのソリューション。実際にモノを作ってそれに開発を掛け合わせたアイテムなど、業界やジャンルも様々な、幅広い作品がエントリーされています。

■作品名:立体パズル楽器 CuYu(チーム名:にゃにゃん (山名琢翔))

ルービックキューブと同等のパズルで、回すと音が鳴る楽器。これまでルービックキューブが解けなかった人も楽しめる。ルービックキューブの手順を覚える際に音を道しるべとしても活用できる。

■作品のポイント

  1. パズルは独自設計し3Dプリンタで制作し、内部に電子回路や電池をすべて搭載。
  2. 子供が触っても壊れにくい耐久性

■作品名:ヒットメーカー(チーム名:Mori Yuki)

野球の個人打撃成績を自動計算・可視化するiOSアプリ。打率などの指標計算や打率の内訳がグラフで可視化可能。打撃傾向の分析やモチベーション向上効果が期待できる。

■作品のポイント

  1. 開発未経験の状態から、1人でリリース・継続開発し、現在3万ダウンロードを突破。
  2. データを入力してもらうという手間が、ユーザーにつかわれる形で落とし込まれている。

■作品名:ShotBridge(チーム名:Claptim)

映像制作における編集のサポートツール。ビデオの音声とスクリプト(撮影中の記録)の情報を使って、どのシーンで何が撮影されたかを整理し、シーン番号、カット番号、テイク番号、音声番号などをビデオデータに追加してまとめる。

■作品のポイント

  1. 映像制作を行う中で感じた課題を解くという、技術者の原点が感じられる
  2. 映像制作の現場での活用や作業の効率化が見込める実用的なツール

 

審査・休憩

すべてのチームの発表が終わると、審査員は別室へ移動し、審査を行います。審査中、参加者はホール外に設置されたフォトスポットで記念撮影を楽しんだり、用意された軽食を食べたり、デモを見せあって交流する様子が見られました。

 

結果発表・表彰

そして、ついに結果発表の時間を迎えます。ドラムロールが鳴り、受賞者の作品名とチーム名が読み上げられます。受賞者には賞金とトロフィーが贈られます。

■優勝(賞金100万円)

■作品名:PhotoBot(チーム名:AI Photographer)

運転中にAIがリアルタイムで前方の景色を解析し、「いい景色」を判定して自動的に高画質写真として撮影するアプリ。撮影された写真は地図上にプロットされ、思い出として簡単に振り返ることが可能です。ドライブという体験をより濃密な新しいレベルへ切り拓きます。

■ポイント

  1. 東京大学「100 Program」最優秀賞(史上最多同時受賞)
  2. ユーザーの好みに合わせてAIモデルを選択、作成できるため、一人ひとりに最適な「いい景色判定」が実現

■審査員からの講評

「運転」というと、安全や管理に注目しがちですが、「ドライブ中の景色」に着目する視点は新しく、ユニークです。また「AIを利用する」のではなく、「AIを作る」というアプローチには、エンジニアリングとしての深みを感じました。オリジナルで、ローカルかつリアルタイムで処理できるAIを開発していることや、景色の良し悪しを人間に近い感覚で高精度に判定できる点から、その技術力の高さが読み取れました。しかし、AIは技術の優秀さだけでは不十分で、どのように社会実装につなげるかが重要です。その点でも、UIや機能が細部まで作り込まれており、完成度が非常に高いと感じました。ぜひ特許取得や事業での実現を目指していただきたいです。

チーム「AI Photographer」は、2か月前に行われた別のコンテストで出会い、そこからチームを組み、開発を始めました。メンバーの一人である7nさんは、マレーシアからの留学生であり、吉村さんは岡山在住のため、実際に会ったのは本日が2回目とのことです。
「現在、開発から2か月時点ではあるものの、非常に高い完成度で仕上がっています。実際のリリースも含めて、自動車メーカーなどの企業とも連携していきたい。」とリーダーの七輝さんは、今後の抱負について述べました。

■準優勝(賞金50万円)

■作品名:mCn(チーム名:あいば)

スマホにGrove規格のセンサーを接続するための変換コネクタ。スマホ開発者や電子工作初心者に向けたもので、従来スマホでは実現できなかった多様なアプリ開発が可能に。

■ポイント

  1. ハードウェア開発なしでスマートフォンに搭載されていないセンサーを拡張できる
  2. 未踏2022スーパークリエータ」受賞作品

■審査員からの講評

ハードウェアとスマートフォンという異なる領域をつなぎ、これまでスマートフォンだけでは実現できなかった多様なアプリケーションの可能性を広げる点において、非常に価値のあるプロダクトだと思います。特に、最近のハッカソンやプロトタイピングにおいて、ハードウェアを使ったアイデアが増えている中で、このようなツールがあれば開発者や初心者にとって大きな助けとなると思います。インフラの業務改善にも活用できそうなので、ぜひ使ってみたいです。また、長期間にわたってmCnの開発および課題に取り組み続け、形にするために努力する姿勢は素晴らしいと感じました。ハードウェアとソフトウェアのコラボレーションをさらに加速させる存在として成長していく未来を楽しみにしています。

今回の受賞作品である「mCn」は3~4年前に開発をスタートしたとのことです。「長くやってきた活動だったため、今回、準優勝作品として認められたことをとてもうれしく思う。ハードウェアの開発はとてもお金がかかるので、賞金で「mCn」をたくさん作りたいと思います。」と、開発者のあいばひづきさんは受賞した感想を述べました。

 

審査委員達を悩ませたハイレベルな戦いだった

最後に、審査員から参加した学生へ、激励の言葉が贈られました。そのメッセージの中で「ハイレベルな作品が多かったので入賞作品を選ぶのに苦労した。審査員泣かせの大会だ」と、みなさんが口を揃えて言っていたのが印象的でした。
また、受賞の有無に関わらず、トップエンジニアである審査員からのコメントが参加者全員に対して後日テキストで渡されます。受け取った賞や結果に関わらず、そのフィードバックや、今日の経験、そしてこれまでの経験を糧に技術者としてこれからも大きく成長していってほしいと述べました。

 

交流会

TOKYO NODE HALLでのピッチコンテスト終了後は、同ビル36階にあるCARTA HOLDINGSオフィスへ場所を移し、交流会が行われました。受賞者にお祝いの言葉を伝えたり、作品に関して意見を交換したり、食事を楽しみながら親交を深めました。

今年も大盛況に終わった「技育展2024」。オンラインでも多くの投稿がありました。技育展をはじめ、「技育プロジェクト」のイベントの様子は、技育プロジェクトの公式アカウントやハッシュタグ「#技育展」をつけて、リアルタイムに投稿されます。X上では、「刺激的な1日でとても楽しかった」「またここから頑張ろうと思った」「プロダクトについて企業の方からたくさんフィードバックをいただけたことが嬉しい」といった感想が寄せられています。
大会の全貌が見たいという方は、YouTubeライブ配信のアーカイブから視聴が可能です。

今後もサポーターズでは、「自ら考え、自ら創る」ことができるITエンジニアを増やしていくことで、ITエンジニア不足が課題となっている日本のDX推進に貢献していきます。

 

■技育展2024 受賞作品一覧

優勝

 作品名:PhotoBot(チーム名:AI Photographer)

準優勝

 作品名:mCn(チーム名:あいば)

企業賞(順不同)

ウイングアーク1st株式会社 作品名:LogoREGI & OrderLink(チーム名:ロゴスシステムズ)
作品名:単語雨 -Word Rain-(チーム名:雨乞い伝道師)
作品名:立体パズル楽器 CuYu(チーム名:にゃにゃん (山名琢翔))
株式会社CARTA HOLDINGS 作品名:Daadle(チーム名:Paint.inc)
作品名:metimo(チーム名:株式会社Romanark)
作品名:ShotBridge(チーム名:Claptim)
株式会社ディー・エヌ・エー 作品名:ヒットメーカー(チーム名:Mori Yuki)
作品名:DeckHub(チーム名:DeckHub)
作品名:GAMESession!(チーム名:としめ)
株式会社サイバーエージェント 作品名:SAI(チーム名:チーム質感AI)
作品名:ShotBridge(チーム名:Claptim)
作品名:PhotoBot(チーム名:AI Photographer)
株式会社ゆめみ 作品名:愛車を守れ!自転車用ハイブリッドスマートロック(チーム名:Aniki.Lab)
作品名:DeckHub(チーム名:DeckHub)
作品名:withmo(チーム名:少年少女浪漫研)
GMOインターネットグループ 作品名:RASHIN(チーム名:SAMOYED)
作品名:Edison.js(チーム名:新谷アレン)
作品名:metimo(チーム名:株式会社Romanark)