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事業の進化

営業はデータで強くなる。ビジネス職とエンジニア職が一枚岩で事業成長をつくる現場で起きたこと【後編】

誰のキャリアにもプラス!エンジニアは共に戦うチームメイト

前編では営業部門の担当者が大喜びした、データ分析基盤の開発について聞きました。それは同事業部内の開発担当者との協働により実現されました。
舞台となった株式会社CARTA MARKETING FIRMのアドネットワーク事業部門では、開発組織が事業部内にあります。ビジネス職とエンジニア職が、お互いがそばにいる環境をどう思っているのでしょうか。3人に聞きました。

里岡 直弥

Naoya Satooka

CARTA MARKETING FIRM 開発局
プロダクトマネジメント部
プロダクトマネージャー/データアナリスト

2014年に株式会社VOYAGE GROUP(現 株式会社CARTA HOLDINGS)に新卒として入社後、グループ会社の株式会社VOYAGE MARKETING(現 株式会社DIGITALIO)にてメディア事業に従事。グループ内異動により株式会社Zucks(現 株式会社CARTA MARKETING FIRM)にて広告運用局長に就任、2019年にはプロダクトマネジメントチーム立ち上げメンバーとして任命される。以降プロダクトマネージャーとして従事しながら2024年3月よりデータアナリストを兼任。現場やデータサイエンティストと協業しながら、データを最大限活用して組織の意思決定を支援する。

上田 哲太朗

Tetsutaro Ueda

CARTA MARKETING FIRM 開発局
データエンジニア

2020年に株式会社VOYAGE GROUP(現 株式会社CARTA HOLDINGS)に新卒エンジニアとして入社。現在の株式会社CARTA MARKETING FIRMに配属され、同社アフィリエイト事業部でSEO領域における事業拡大・効率化プロジェクトを担当。2023年6月に同社アドネットワーク事業部へ異動し、データ基盤改善に携わる。2024年2月に同社データ部へ異動。現在は組織横断的なデータ基盤の開発に従事し、データドリブンな意思決定を可能にする組織づくりを推進している。

三澤 孝太郎

Kotaro Misawa

CARTA MARKETING FIRM
プロダクト事業局 メディアセールス部
部長

2010年に新卒でアフィリエイトサービスプロバイダー企業に入社。フィーチャーフォン向けの月額コンテンツサービス事業会社や、PCオンラインゲーム提供事業会社向けの営業に従事。
2014年に株式会社VOYAGE GROUP(現 株式会社CARTA HOLDINGS)に入社後、グループ会社の株式会社Zucks(現 株式会社CARTA MARKETING FIRM)にてZucks Affiliateの営業を担当。
2023年10月よりプロダクト局メディアセールス部部長として、Zucks Ad NetworkやZucks Affliateのメディア領域を統括。

開発組織が事業部内にあるのは、メリット/デメリットどちらが大きいか

CARTAグループ各社では事業部内に開発組織があります。多くの場合、営業担当とエンジニアは声が届く範囲で仕事をして、定期的に課題を話し合う場を持ちます。
一方で開発組織が事業部と切り離されている企業もあります。全社共通のバックオフィス部門として位置づけられているところもあります。

ーそれぞれの良し悪しがあると思いますが、実際のところどうなのでしょうか。

三澤 私は両方の組織形態を経験しています。前職では事業部内に開発組織はありませんでした。
前職の場合は、営業は営業活動だけに専念できるという点はメリットだったと思います。
デメリットとしては「今ある仕組み」でどうにかしよう、という発想になってしまうことですね。
CARTAのメリットは「自分たちでプロダクトを作っていける、変えていける」という発想を持てることですね。
デメリットはすぐプロダクトに求めがちになって、ワガママになることでしょうか。でもこれはメリットかもしれません(笑)。

エンジニアの成長にとって組織形態がボトルネックになる?

ー事業部ごとに開発組織が分断されていると、エンジニアとしてはノウハウの共有が滞ったり、専門性が育ちにくいといったデメリットがあるのではないでしょうか。

上田 それらの懸念は理解できます。ただ、今のところ問題にはなっていません。
ノウハウの共有については、オープンな組織文化が大きな役割を果たしています。専門知識を持つメンバーに気軽に相談していますし、その様子が全社から見えている状態です。当社の場合でいうと社内のチャット上でのコミュニケーションがとにかく活発ですね。

専門性が育つか?という問いについては、言いたいことがあります(笑)。
専門性や得意領域は、事業に本気で向き合うことで自然と育まれていくものです(*1)。むしろ事業と密接に向き合える環境は、エンジニアキャリアにとって大きな強みになると言いたいですね。
概略だけお伝えすると、3つの観点から説明できると思っています。

上田によると、CARTAの環境は以下のような点でエンジニアにプラスになるといいます。

  1. ビジョンドリブンな開発経験
    ◦組織のビジョンを技術戦略として具体化
    ◦ビジョンを見据えたMVPの設計と実装
    ◦将来の拡張性を考慮しつつ、現時点で必要十分な実装範囲の見極め
  2. 持続可能なシステム開発の実践
    ◦保守・運用の負荷を考慮した技術選定
    ◦ビジョンに照らした開発物の取捨選択
    ◦システムの優先順位付けとリソース配分の判断力
  3. 各事業部が事業に本気で向き合うことで得られる深い専門知見
    ◦その知見を持つ人・事業部への気軽な相談や学びの機会
    ◦事業部を超えた知見の共有による、組織全体での多様な専門性の獲得

*1 参考記事「ビジネスに必要な全てを担い、自分の専門性を見つけ出すフルサイクル開発者のあり方【技育祭2024秋】」(CARTA TECH BLOG)

開発組織と共に歩む事業は、私たちのキャリアにとってプラス?マイナス?

ー最後にCARTAのように「開発組織が事業部の中にある」組織形態について、長期的な視点=各自のキャリアにとってどう感じているか聞きたいと思います。プラス、マイナス、どちらが大きいと感じているのでしょうか。

三澤 営業担当者にとって、明らかにプラスですね。
まず短期的には営業が売りやすいプロダクトを協力して作っていける点。もうひとつは、市場の変化や顧客のニーズに対応しやすい点。
キャリア形成という面ではバリュー向上が加速することですね。CARTAで仕事を始めてから「人にしかできない仕事でバリューを出そう」「仕組みでできることは何か」と強く考えるようになりました。

上田 エンジニアのキャリアにとっても、プラスです。
技術力は目の前の事業に真摯に向き合うことで育まれる、と先ほどもいいました。この技術力には2つあって、狭義の技術力=特定の言語や技術スタックの習熟。広義の技術力=事業を前に進めるための開発力。これら両方が得られる点です。

事業に向き合うためには、エンジニアだけでなくビジネス職と協調して前に進める必要があります。
CARTAのように現場担当と日常的に気軽にコミュニケーションできる環境は、事業の文脈や課題をより深く理解できるし、事業を技術で前に進めていく経験を積めると思います。結果として、より高い技術力(狭義も広義も)を身につけることができるわけです。

里岡 私はプロダクトマネージャーやデータアナリストという立ち位置ですが、やはりキャリアにプラスだと思います。
プロダクトマネージャーやデータアナリストは、ビジネス職とエンジニア職のちょうど中間に位置する役割だと思っています。両者のどちらの考え方もある程度深く理解していることが求められる職種です。
私の場合はビジネス職からこの立ち位置になったので、自分が入った入口の逆側(エンジニア職)については経験がありません。経験がない領域については、コミュニケーションを密に取ることで理解を深める必要があります。エンジニア職の組織が日常的に手を伸ばせば届くところにあるのは、非常にやりやすいですね。
キャリアを深めるにあたり、両者の理解を深めるという観点でプラスに働くと思っています。

後編のまとめ

それぞれが密接に関わることが、どの立場にとってもプラスであるということでした。
たとえ組織図上で開発組織を近くに置いても、意志もなくコミュニケーションもなければ意味がありません。でもCARTAでは手が届くところにエンジニア組織があることがプラスに働く土壌があるようです。

聞き手として感じたことは、この3人が事業にオーナーシップを感じているのではないかということです。
自分たちが事業を通して産業の進化を作っていく。そのような気概を持った仲間が集まっているからこそ、絶え間ない情報共有はコストではなく、推進力にかわる。だから自信をもって「プラスだ」と答えられるのではないでしょうか。