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事業の進化

ATRACとKAIKETSUの経営統合が切り拓く未来。新たなスタートラインに立った今の気持ちを、各社トップに問う

SNSマーケティングだけでもなく、広告だけでもない。 両者の強みが、顧客の成功とメンバーの成長を導く

CARTA HOLDINGSでは、時にグループ会社同士が協業しシナジーを生み出すことで、顧客企業の進化に尽力しています。2023年4月1日、株式会社ATRACと株式会社KAIKETSUは経営統合し、新たなスタートを切りました。ATRACは、KAIKETSUがもつSNS・インフルエンサーマーケティングの知見を取り込み、これまで以上に企業のマーケティング課題に対するソリューション提供力の向上を目指します。今回はATRACの代表取締役社長・三和大輔とKAIKETSUの代表取締役社長・蓮見友信にインタビュー。経営統合の背景や当時の心境、そして今後の展望を聞きました。

三和 大輔

Daisuke Miwa

株式会社ATRAC
代表取締役社長

2008年、株式会社サイバー・コミュニケーションズ(現株式会社CARTA COMMUNICATIONS)に入社。
デジタル専業広告会社、総合広告会社への出向も経験し、入社以来数多くの企業のデジタルマーケティング領域を支援。2019年株式会社ATRACを設立し、代表取締役社長に就任。

蓮見 友信

Tomonobu Hasumi

株式会社ATRAC
開発室 室長

ITベンチャー企業で2年間エンジニアを経験し、2009年に株式会社KAIKETSUを設立し代表取締役に就任。創業時からツールやシステムを開発し続け、Twitterのリーチ数を測定するシステムを業界で初めて開発。これまで開発したシステムは100を超え、フロントエンドからサーバーサイドまで幅広く担当。2023年4月ATRACとKAIKETSUの統合に伴い、ATRAC開発室 室長に就任。

―まず、各社の事業内容と経歴を教えてください

三和:ATRACは、企業のマーケティング課題解決に取り組む会社です。戦略立案からマーケティング活動に付随するクリエイティブ制作、 メディアプランニング、運用コンサルティングなど、一気通貫で支援しています。デジタル上のチャネルだけでなくオフラインも活用しながら、着実に実績を積み上げてきました。
2008年にサイバー・コミュニケーションズに入社して以降、デジタルマーケティング領域の現場に携わってきました。2019年、同じく取締役の福原奈津美と共にATRACを設立し現在に至ります。

蓮見:KAIKETSUは企業のSNSマーケティングにおける企画、実施、レポーティングまでを包括的にサポートしています。特に企業の商品やサービスにマッチするインフルエンサーをアサインして、マーケティング企画を立てるインフルエンサーマーケティングを強みにしています。
私はエンジニアとしてキャリアをスタートし、2009年7月に取締役である平賀大地と一緒にKAIKETSUを設立。当時はインフルエンサーという言葉はありませんでしたが、影響力のある人物を起用したマーケティングをブログやTwitter上で始めました。2019年5月にCARTA HOLDINGSに連結子会社としてジョインし、2022年8月に完全子会社となりました。

成長戦略を模索する中で見つけた、経営統合という道

―その2社が今回経営統合した背景ときっかけは?

蓮見:昨年の夏頃から、KAIKETSUとして提供する価値を最大化させるためには何をすべきか考えていました。自分たちの力だけで成長する方法もありますが、デジタルを基点として様々な事業を行うCARTA HOLDINGSの一員となり、他の事業会社との連携を図れば、CARTA HOLDINGSとしてもKAIKETSUとしても新しい価値を生み出すことができるのではと可能性を探っていました。

―具体的にはどのあたりに課題を感じていたのでしょうか?

蓮見:インフルエンサーのキャスティングなどを行う中で、クライアントの幅広いニーズに応えるために、より広範囲なマーケティング戦略や全体設計を立てられる力が必要だと感じていました。やはりキャスティングやアカウント運用はSNSマーケティングの一部に過ぎません。他のソリューションと組み合わせて、より大きなインパクトを世の中に与え、さらに上流に行きたいという気持ちは常にありました。広告も活用した総合力を備えながら、当社が培ってきたSNSマーケティングを強みにした提案をできるようにしたかったのです。

三和:私たちも、世の中に数多くの広告会社やマーケティング企業が存在する中で、独自の強みを見いだしたいと考えていました。自社プロダクトを持っているわけではないので、顧客の課題解決を考える中で当社ならではの要素が足りない点を課題の一つとしてとらえていました。

―そうした経営課題を解決する道の一つに経営統合があったのですね

三和:そうですね。KAIKETSU側のそうした課題を聞く機会がありましたし、私が一昨年までKAIKETSUの取締役に入っていた経緯もあり、事業内容やビジョンは深く理解していました。KAIKETSUとの統合はイメージしやすかったですね。

蓮見:私たちとしても、競合他社の多くがSNSマーケティングと広告事業の掛け合わせという事業構造になっている点を見過ごすことはできませんでした。CARTA HOLDINGSの中でATRACは、広告を使って大きな企業やプロジェクトを動かし、うまく運用しながらマーケティングを行う会社という印象がありました。ATRACが持つケーパビリティを借りることで、自分たちが目指す理想の形を実現できるのではないかと思い、統合の話を進めることにしました。

異なる領域のクロスオーバーが生み出す、何倍もの成長機会

―経営統合の話は、そこからスムーズに進んでいきましたか?

三和:すべてがスムーズに進んだとは言えません。特にKAIKETSUは会社が消滅することにもなるので、蓮見さんの心境は複雑だったのではないかと思います。

蓮見:そうですね。統合することで成長機会を得られる期待感は大きかったのですが、確かに自分たちの会社がなくなる点においては整理がつかない時もありました。
ただ私個人としては心の準備はできていたことでもあります。CARTA HOLDINGSの100%子会社となった時点で、自社の成長戦略を考える中、選択肢の一つとして統合や協業は常に頭の片隅にありました。全く寂しくないかと聞かれたらそうではありませんが、組織や社員の成長に必要な選択だと、前向きにとらえることができていると思います。

―メンバーに与えたインパクトも大きかったのではないでしょうか?

蓮見:はい、当社の場合どちらかといえばメンバーのほうが複雑な想いを抱えていたと思います。設立から一緒にやってきた平賀は深く悩んでいた時期もありましたし、メンバーにも負担をかけてしまったかもしれません。そうした想いに歩み寄りながら一人ひとりと真摯に向き合い、自分たちの成長に向けた統合であることに理解を示してもらえるよう、対話を重ねてきたつもりです。

三和:ATRACではポジティブな意見を多く耳にしました。特にクライアント開拓に苦戦していたメンバーにとって、KAIKETSUのエッジの効いたサービスは大きな武器になります。またSNSやインフルエンサーマーケティングの領域にチャレンジする機会が生まれるため、新たな知識やスキルの習得に前向きなメンバーもいます。今後デジタルマーケティングの中でSNSはより重要なポジションを占めていくため、自分たちの専門性を極めることができる点もポジティブな要素になっているようです。

―経営統合後、メンバー同士の関わり方や連携について、どのような期待を持っていますか?

蓮見:異なる領域に携わってきた者同士が、同じ空間で切磋琢磨できるのはメンバーにとって良い効果をもたらすと思います。お互いが培ってきたノウハウや知見をクロスしたらどのような新しい価値が生まれるのだろうと、想像するだけで楽しみですし、自分たちにない視点での仕事のとらえ方や価値観を得るチャンスにもなる。成長機会が、従来の何倍にもなると期待しています。

三和:そのためにも、まずは新生組織としてベクトルを揃えていきたいですね。最初にメンバーの道しるべとなるようなビジョンを定めることができれば、蓮見さんの言う事業としての連携やメンバーの成長は自然と生まれると思います。統合が決まってから、KAIKETSUとATRACが一緒になる意義や目的は各社のメンバーに説明してきましたが、統合後も方向性を確認し合いながら組織を前進させていきたいです。

―現時点で思い描いているビジョンはありますか?

三和:メンバーの成長を起点にビジョンを掲げていきたいです。これまでもATRACは、メンバーにどれだけの成長環境を用意できるか、メンバーの能力をどれだけ引き出せるかに重点を置いて組織運営をしてきました。その結果、メンバーの成長が事業領域の拡大につながり、事業領域の拡大が会社の成長につながってきました。もともとデジタルマーケティングから始めた当社ですが、今はより包括的なマーケティング戦略を実行できているのも、メンバーの成長が根底にあるからだと実感しています。ですから、メンバーの成長を起点にした考えは今後も貫いていきたいというのが私の想いです。こうした考えはこれからKAIKETSUとすり合わせていくつもりでいたのですが、今日の蓮見さんの話を通じて、会社やメンバーの成長への想いを聞き、私と近い考えでいるのだと知ることができました。

蓮見:ATRACのリーダー陣の定例MTGに出させてもらっていますが、総じて前向きな空気感なんです。メンバーの誰もが、難しい課題にもひるまず積極的に取り組む姿勢を持っている。そうした雰囲気の中にいると、挑戦が当たり前になり、失敗を恐れない心が養われる気がします。統合によって、事業面の成長はもちろん、組織づくりにおいて得るものもたくさんあると思いますね。

掛け算でシナジーを生み、新たな可能性を見いだしたい

―経営統合によって、社会や顧客に対してどのような価値をもたらしていきたいですか?

三和:ATRACとしてはこれまでも、私たちの成長によって顧客に提供できる価値が高くなり、事業成長に貢献できると考えていました。それがKAIKETSUと一緒になることで、より多くの顧客をサポートする機会が増えていくと思います。新しい企業と出合う場が増えるだけでなく、お互いの既存顧客に対して今まではできなかった新しい価値を提供することも実現可能になる。新たな価値の創出が、顧客満足度の向上や社会貢献につながっていくと考えています。

蓮見:私も三和さんと同じ考えです。顧客に対して有益な価値を提供できる存在になっていきたいですね。

―最後に、新たなスタートに向けた意気込みを聞かせてください

三和:統合によって、ATRACとしてだけでなく、CARTA HOLDINGSの総合力も上げて組織全体を進化させていきたいです。ただ、統合したからといってすぐに結果が出るわけでもないですし、思うように進まず障壁にぶつかることもあるでしょう。その時何が大事になるかというと、メンバーとのコミュニケーションだと思います。メンバー同士がコミュニケーションを図って相手を尊重し、事業についてよく理解し、同じ方向を向いていれば、苦難も乗り越えられますし、その先に大きな成長がある。そう信じて突き進みたいです。

蓮見:統合するからには足し算ではなく掛け算をして、シナジーを生む組織でありたいです。そのためにも全社員が同じゴールを見据えて歩みを進めていくつもりです。気持ちを揃えるためにも、まずは三和さんとお酒を飲みながら、お互いの考えを常に共有できる関係を築いていきたいですね。

三和:統合が決まってからはまだ飲みに行っていないですしね。私がKAIKETSUの取締役に入っていた時、一度だけ飲みに行きましたけど、当時は統合するとは夢にも思っていませんでした。今思うとあの時に、運命の扉が開かれたのかもしれませんね。

株式会社ATRAC:https://atrac-inc.com/