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事業の進化

CCIのデータマーケティング戦略ーー来るCookieレス時代を見据え、複数の代替策を提供

メディアレップからの脱却、切り札となる3つの戦略 第1弾

2021年、メディアレップから総合デジタルマーケティングサービスへの事業転換を打ち出した株式会社CARTA COMMUNICATIONS(以下、CCI)。代表取締役社長の目黒拓はインタビュー(※)にて、脱メディアレップの切り札となる3つの戦略「データマーケティング」「ソーシャルメディアマーケティング」「eコマース」について語りました。今回は、その1つ目のデータマーケティングにフォーカスを当て、執行役員の田中慎介にインタビュー。今話題のCookieレスがもたらす影響と対策をはじめ、CCIの強みを聞きました。

(※)代表取締役社長の目黒拓のインタビュー記事
CCI、メディアレップから総合デジタルマーケティング企業としてさらなる進化を目指す。
https://evolution.cartaholdings.co.jp/article-0039/

田中 慎介

Shinsuke Tanaka

株式会社CARTA COMMUNICATIONS
執行役員
ソリューションディベロップメント・ディビジョン
ディビジョン・マネージャー

2008年代理店セールスメンバーとしてCCI大阪支社に中途入社。2012年運用型広告コンサルマネージャー、2015年ソリューション業務推進担当マネージャーからグループ・マネージャーに。2018年データソリューション部門グループ・マネージャー。2021年メディアソリューション部門グループ・マネージャーから副ディビジョン・マネージャーとして、デジタルマーケティングソリューションの開発と提供を行う。Cookieレスに対応するデータマーケティングサービス開発部門の立ち上げも担当。2024年ソリューションディベロップメント部門ディビジョン・マネージャー、CCI執行役員として経営に参画。

Cookieレスに向けたデータマーケティングでの効果的な施策提案

ーデータマーケティングとはどのようなものか教えてください。

田中:データマーケティングとは、企業が顧客体験の向上を目的にデータを利活用し、マーケティング戦略の意思決定をデータに基づいて行う手法です。ここ最近、重要視する企業が増え、一般的になってきています。データマーケティングでは、過去の経験値や感覚値ではなく、データに基づいて判断します。いわゆる人に依存した、熟練の職人が経験値をもって作る「秘伝のたれ」みたいな判断軸ではありません(笑)。
デジタルマーケティングでは、「意識データ」と「行動データ」を活用していきます。「意識データ」は主に調査会社のアンケート調査による定量定性データ、「行動データ」は広告閲覧、サイト回遊、店頭購買、位置情報や検索といったユーザーの行動履歴に基づいたデータのことです。これらのデータを収集して、統合・分析し、掛け合わせながら施策に活用します。

ーデータマーケティング領域ではCookieレスへの対応が注目されていると聞きますが、それはなぜですか?

田中:Cookieレスが実施されることにより、Webブラウザ上において、サードパーティCookieを利用してターゲティング広告の配信やコンバージョン測定が実現できなくなる、または精度が低下することを懸念して、その対策方法に注力されているという事だと思います。

そもそもCookieとは、Webサイトに訪問したユーザーの情報がブラウザに保存される仕組み、または保存されたデータファイルのことを指します。Cookieにはいくつか種類があります。ファーストパーティCookieは、訪問したWebサイトのドメインから発行されるもので、そのサイト内でのみ機能します。それに対して、サードパーティCookieは、訪問したWebサイト以外のドメインから発行されたもので、ドメインをまたいでも機能します。ECサイトである商品を閲覧し、そのサイトから離脱後も閲覧していた商品の関連広告が表示されることがありますが、これはサードパーティCookieが異なるWebサイトをまたいで同一のブラウザだと判別しているからです。CookieレスとはこのサードパーティCookieが無効化されることをいいます。サードパーティCookieは、Webブラウザに配信されるデジタル広告において非常に重要な役割を果たしています。そのすべてがサードパーティCookieを用いた方法では実現ができなくなるため、各社の対応に注目が集まっているわけです。

ーCookieレスの影響範囲は非常に大きそうですが、具体的にはどういった影響があるのでしょうか。

田中:一つ目は、Webブラウザをまたいだオーディエンスターゲティングやリターゲティング広告の配信が出来なくなること。二つ目も、広告配信に関わる部分になりますが、ECサイト上での商品購入や資料請求といったWebブラウザ上を成果地点にしたプロモーションにおいて、広告経由のコンバージョン計測が難しくなります。
三つ目は、Webブラウザを回遊した履歴から行うペルソナ分析などのユーザー分析が出来なくなることです。
これらがサードパーティCookieを用いた手法では実現できなくなることで、広告効果の悪化や、広告効果を最大化する為の広告予算配分が適正にできなくなる懸念があります。
しかし、企業がマーケティング活動に取り組む目的は何も変わりません。私たちは今まで通り、データマーケティングを通じて顧客が目的を達成できる提案をしていく必要があります。

Data Dig(データディグ)でデータを利活用して企業の課題解決を支援

ーCookieレス時代の到来を踏まえ、CCIでは、どのようなサービスを提供していますか?

田中:CCIでは、2021年よりポストCookie時代のデータマーケティングサービスとして「Data Dig(データディグ)」を提供しています。「Dig」は掘るという意味。企業のデジタルマーケティング、広告でのデータ利活用を支援するサービスです。
行動データの収集からデータ統合環境の整備、統合したデータの分析・可視化、データを活用した施策実行支援まで、一気通貫で対応しています。広告主のマーケティングがCookieレス環境で停止することがないようにしっかりと支援し、データの利活用を推進しています。

DataDigサービス概要
https://www.data-dig.cci.co.jp/ja-jp/#service

ーDataDigでは具体的にどのようなサポートをしているのでしょうか。

田中:サードパーティCookieに依存せずマーケティングサイクルを回していける手段として、コンバージョン欠損対策サービスを提供しています。国内の主要広告プラットフォーム7社のコンバージョンAPIに対応し、いち早くトレンドをキャッチしてサービス提供することで、広告主のマーケティング活動にマイナスな影響が発生しないよう努めています。

例えば、デジタル広告の成果(CV)地点が、Webブラウザ上(資料請求や仮登録等が広告のCVポイント)にあり、成約はその先のオフライン上にあるとします。広告主が求めている本当の成果地点がオフライン上での成約のケースだと、広告配信プラットフォームはWebブラウザ上でのCVデータをシードに広告配信の最適化が働きます。このようなケースにおいて、オフライン上での成約データを広告プラットフォームに連携する事で、より成約者データをシードとした、本来広告主が求めるゴールに近づく最適化が働き、広告パフォーマンスが向上するケースが多くあります。すなわち、コンバーション計測の欠損を防ぐ事で、CV数が精緻に把握できるだけでなく、広告配信の最適化に寄与し広告効果が向上します。
コンバージョン欠損対策サービスに対するお問い合わせをたくさんいただいており、2023年だけでも100件近い事案に取り組みました。2024年は昨年を上回るペースで多くのお問い合わせいただいている状況です。

ファーストパーティデータの収集と利活用で顧客に価値を提供

ーそのほかに、CCIはどのような問題を解決できるのでしょうか?

田中:コンバージョン欠損対策の対応以外にも、データクリーンルームの活用による分析が可能です。データクリーンルームは、大手広告プラットフォームが提供する、プライバシーに配慮したデータ統合・分析用のクラウド環境の通称です。広告主が保持するファーストパーティデータと広告プラットフォームの広告配信ログをデータクリーンルーム上で紐付けることで、広告効果を可視化することができます。
また、オンラインとオフラインのデータを統合して分析することも可能です。例えば、デジタル広告で動画を視聴した後に店頭で商品を購入した場合、広告主は購入者が広告に接触しているかどうかを把握する事ができません。しかし、オフライン上にある商品購入者データを、広告配信ログと統合して分析することで、広告効果の可視化が可能です。その情報を基に広告のプランニングの最適化を図ることも可能です。
他にも、広告管理画面上のレポートだけでは確認する事ができない、継続購入などLTVの可視化などデータクリーンルームの活用による広告出稿効果を深堀りした分析にも力を入れています。

DataDig詳細記事
【Cookieレス解説】対策・ソリューションまとめ〜分析・検証編〜
https://www.data-dig.cci.co.jp/column/1020

ーさまざまなサービスを提供しているなかで、CCIの強みは何だと思いますか?

田中:データ収集から分析、施策の提案、実行まで、全工程において伴走できるスタッフが揃っていることです。多くの実績を残せている背景には、データマーケティングの知見やノウハウを備えたスタッフの存在があるからです。これは、強みでもあり、CCIの財産だと自負しています。このようなスタッフが、デジタルマーケティング、デジタル広告業界のトレンドをしっかりキャッチアップしながら、顧客に求められる価値を引き続き提供していきたいと思います。

ー長期的なトレンドとして、マーケティングにおけるデータへのニーズはどのように変化していくと考えていますか?

田中:サードパーティCookieが使えなくなる今後のデータマーケティングにおいては、ファーストパーティデータ(自社データ)をいかに活用するかが重要です。現在、ファーストパーティデータの活用を積極化していない企業でも、ファーストパーティデータをどのように収集し、どのように活用すべきかを検討している企業は多いと思います。
同時に、データの活用には、プライバシー保護に関する対応も必要となってくるでしょう。法務部門と相談しながら判断する場面も増えてくると思うので、企業内での連携体制をどのように整えていくか考える必要があります。
長期的には、自社のデータだけでは分からないことを、他社のデータと突合させることで顧客の解像度を上げていきたいなどの分析ニーズが生まれてくると思います。そうなってくると、セカンドパーティデータと呼ばれる他社収集データの活用もトレンドとして入ってくるかもしれません。

ー田中さんがCCIだからこそ成しえたことはありますか?

田中:私自身は、代理店向けのセールス職や運用型広告のコンサル職が長かったので、お客様の困っていることや課題に耳を傾け、そこに対するアプローチやソリューションを考えながら提案し続けてきました。
中途でCCIに入社してから17年程経ちますが、その時々で重要な部門づくりを任せてもらっており、今までで8部門ほど立ち上げてきました。Cookieレスの時代が到来すると分かった時も、当時私が在籍していた部門でCookieレス対応のデータマーケティングサービスを作ろうというアイデアが生まれ、現在に至ります。こうした経験ができる会社は少ないと思いますし、CCIにはチャレンジしやすい文化があります。
社長の目黒が合言葉として「to the Front 」を掲げた時も強く共感したのを覚えています。私の部門でも2023年は顧客志向を徹底する為に「主語を“顧客”に」をテーマに掲げました。単に広告を売るのではなく、「顧客がマーケティングROIを改善するために何をするべきか」を、顧客視点で考える必要があります。テーマを掲げたことで社員もみんな同じベクトルで業務に臨めるようになってきました。2024年は一歩先に進んで、「顧客を知る」をテーマにした活動を積極化しています。

ー今後の展望を教えてください。

田中:Cookieレス時代が目の前に迫っている今、顧客のマーケティング活動が停止することのないよう支援していくためにも、ファーストパーティデータの利活用推進にはより注力していきたいです。
デジタルマーケティング、デジタル広告領域はすごく速いスピードで進化しています。この進化の1つとしてデータマーケティングは欠かせない要素だと考えており、当社としても顧客への提供価値を最大化する為の注力していきべき領域だと考えています。
これからも、データを通して顧客理解を深めることで、正確なデータに基づいた判断をしながら、マーケティングROIの向上に寄与していきたいと思います。