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エンジニアを新卒で採用するメソッドとは。夏のインターンシップ「Treasure」にかける想い

インターンシップ「Treasure」は、学生の「スキル成長」に重きを置いている

エンジニア採用は年々激化の傾向を見せ、あらゆる企業が工夫をこらして採用活動に臨んでいます。その中でVOYAGE GROUP(以降「VOYAGE」)では、中途採用はもちろん、新卒採用にも早くから力を入れており、毎年新卒の採用を続けてきました。今回は最新のインターンシップの内容やオンライン化による変化について、エンジニアの新卒採用を担当している人事本部の瀬尾さんにお聞きしました。

瀬尾 友美

Yumi Seo

人事 エンジニア採用担当

2016年に新卒で入社。株式会社Zucks(VOYAGE GROUPの100%子会社)での広告営業経験を経て、2018年にスタートアップへ転職しPR営業を経験。2019年12月にVOYAGE GROUPへ再び戻り、現在は人事本部にてエンジニア新卒採用チームのリーダーを務める。女優の石原さとみさんが好きなのであだ名はさとみん。

ーーまずは、瀬尾さんの経歴と現在の役割について教えてください。

瀬尾:2016年にVOYAGEに新卒で総合職として入社し、Zucksで広告営業を経験しました。2年ほど経ったタイミングで、より小さな組織で自分の営業力を磨きたいと思い、スタートアップに転職しました。転職先でも広告営業として働いており、仕事はとても楽しかったんですが、もっと人の喜びに直結するような仕事がしたいと思うようになり、人事職を探し始めました。

人事職の中でも採用人事がしたい、また総合職とエンジニア職の採用担当がありますが、当時の私は全くエンジニアリングの知識がなく、知らない領域だからこそきっと面白い体験ができると思い、エンジニア採用担当で転職先を探し始め、そのタイミングでVOYAGEでも募集していると聞いたんです。いわゆる出戻りになるんですが、中途採用としてちゃんと複数回の面接を受け、無事合格をいただき2019年12月に新卒エンジニア採用担当として戻ってきました(笑)。

今は新卒採用の戦略設計をしたり、夏のインターン開催に向けて企画立案やインターン生選考をおこなったりと、採用全般を担っています。

ーーなるほど、一度VOYAGEを辞められているんですね。では、エンジニアの新卒採用に力を入れるようになった背景を教えてください。

瀬尾:VOYAGEではさまざまなプロダクトやサービスを手がけていますが、その大半を内製している点が根底にあると思います。事業を成長させ続けるには、質の高いエンジニアリングで良いサービスをつくることが会社として最大のミッションであり、そのためにスキルの高いエンジニアの存在は不可欠。本来は経験値のあるエンジニアを中途で採用できればいいのですが、エンジニアの中途採用は難易度が高く、なかなか思い通りにいかないという課題が常にあります。より現場からの採用ニーズに応えていく為に、新卒で採用し、育成していく体制を構築することにも注力するようになりました。

ーーインターンシップからの採用が中心になっているのでしょうか?

瀬尾:インターンから世代の過半数以上を採用する手法をとり、残りはイベントや本選考で出会う学生から採用しています。中でもwebアプリケーションエンジニア向けの「もの創り実践プログラム『Treasure』」というプロジェクト型インターンからの採用人数が過半数以上です。

Treasureはスキル成長に重きを置いており、講義+チーム開発形式のインターンなのですが、実施する上での方針や企画の大枠は人事で決めて、講義やチーム開発の細かい内容はエンジニアが主導となって考えていくのが弊社のスタイルです。どの会社も同じだと思いますが、エンジニアって本当に忙しい。なのにみなさん積極的に関わってくれて、「現場で働くエンジニアだからこそ学生に伝えられることってなんだろう?」「人事として大事にしたいことは?」と真剣に向き合ってくださっています。

Treasureは歴史が長いということもあり、全社的にお祭りというか夏の風物詩みたいになっているんです。キックオフしたことをSlackなどで全社に知らせると、みなさん盛り上げてくださるので、人事側も気持ちが上がります。

Treasureは学生24名に対し、エンジニアクルーは総勢40名以上が関わっていますので、他社と比べても、ここまで現場のエンジニアが入り込むインターンシップは珍しいと思います。参加したクルーにとっても得るものが多いのではないでしょうか。教える立場としても改めてTreasureで使用する技術の勉強をし直したり、レベルの高いインターン生から刺激をもらったり。視野が広がる良い機会と捉えてもらっています。

また、Treasure経由で入社したエンジニアクルーは「Treasureに関わりたい!」と恩返しの意味合いも込め自ら手を挙げてくれるケースが多いです。この恩返しの連鎖がTreasureのクオリティを引き上げていると思います。

ーーTreasureを通じて学生に何を習得してもらいたいですか。

瀬尾:最も意識していることは、Treasureのコンセプトでもある「学生のスキル成長」に重きを置く点です。そのため、webアプリケーション開発の体系的な知識が身につくよう、フロントエンド・バックエンド・データベース設計・インフラ・アイディアソンという各講義を前半では学び、後半はチーム開発形式をとることで学んだ知識をすぐに実践できるようにデザインしています。また、講義中も学生同士でのディスカッションやハンズオンの機会も取り入れ、アウトプットをしながら進めていくので、知識の定着がしやすい仕掛けを意識しています。

また、学生にとってはインターンシップで企業のカルチャーや空気感を知り、就職活動の判断材料にする目的もあると思います。Treasureは参加学生よりクルーの人数の方が多くなるよう設計しているのですが、それはわからないことがあればすぐに質問をしたり、エンジニアクルーから少しでも多く現場の考え方や知識を吸収してほしいという意図になります。実際VOYAGEで働いていてもわからないことがあればすぐ質問できる環境が整っており、そうした気軽にコミュニケーションがとれる雰囲気も体感いただけると思います。ほかには、同世代のヨコのつながりも作れるようオンラインでもAjiting※の機会を作るなど学生同士の交流機会も取り入れています。

最近ではTreasureに参加した学生を「Treasure生」と呼ぶブランディングもでき、みんながブログで内容を発信してくれたりもするおかげで、学生の間でもTreasureの知名度は年々上がっているなと感じます。エントリー前から「参加したい」という声も聞き、Treasureの募集がオープンするとたくさんの学生が自然とSNSで拡散してくれます。賞金や報酬といった目先の利益で学生を集めようとするのではなく、クルーと一緒に実践的なコンテンツを考え、中身で勝負をした結果が表れているのだと思うと嬉しいですね。

ーー昨年はTreasureもオンライン上での開催となりました。

瀬尾:キックオフは2019年の秋頃だったので、その時点では新型コロナウイルスという感染症が蔓延することになるとは思っておらず、いつも通りオフラインで準備を進めていました。それをオンライン開催へ切り替えることが3月に決定。大学の休講により夏季休暇もずれるためスケジュールを調整し直したり、オンラインでのコミュニケーションツールを選定したりと、練り直すことが多かったです。

ーーなるほど。その中で工夫した点や改善点は何でしょうか。

瀬尾:学生側としては、やはり直接会えない不安感が大きかったと思います。そのためスタート前には全員と面談する機会をつくり、少しでも不安や心配事を減らしてインターンに臨んでもらえるよう心がけていました。またインターン生同士が交流を図ることも難しかったため、ランチやおやつのタイムに自由に雑談ができる時間を作ったり、講義後に任意でAjitingの時間を設けたりと、コミュニケーションの機会を増やすことはオンライン化において必須だと感じました。講義に関しても講師陣からの提案で補講や質問会の時間を別途追加して、なるべく技術面の疑問をキャッチアップできる環境をつくっていきました。

改善点としては、Treasureには多くのクルーが関わるので、VOYAGEならではの人の良さや雰囲気の良さが伝わったという声をもらう一方、事業内容についてもっと知りたかったとの声ももらいました。VOYAGEで展開する事業は、アドテクやポイントメディア、インキュベーション事業と学生からは想像しづらい領域の事業も多いです。特に、コロナ禍のオンライン就活では対面のコミュニケーションが減少し、私自身も想像以上に情報が伝わっていないなと感じることがありました。そのため、今年のTreasureでは事業内容についてもエンジニアクルーの視点から伝えてもらう機会を増やしていきたいと思っています。

ーー今年のTreasureは既にエントリーが始まっています。どのような内容を予定しているのでしょうか。

瀬尾:今年のTreasureも講義+チーム開発形式を取り、スキル面で圧倒的に成長する!というコンセプトは変更しません。サーバーサイドについては引き続きGo言語で講義を、またフロントエンドはReactやTypeScriptでの講義を検討しています。加えて、データベース講義にはVOYAGEの技術コーチをお願いしている『テスト駆動開発』でおなじみの和田卓人さんによる講義を行います。

VOYAGEでは各プロダクト開発は基本的に内部で手掛けていますが、勉強会や技術力評価会の際には社外のエンジニアも招き意見をもらうなど、社内外問わず客観的視点を取り入れていくことにも柔軟です。そうしたカルチャーをTreasureでも体感してほしいと思い、今年はその第一歩として和田さんによる講義を実施予定です。

また、現場で働くクルーだからこそ伝えられる、実践的な考え方についても今年はより講義を通して伝えられればと思っています。「本番環境で動かすことを前提にどう考えればいいのか?」など学生の個人開発では学びにくい視点もTreasureを通して身につけてもらえると嬉しいですね。

ーーエンジニアの新卒採用に携わる中で感じるやりがいや喜び、人事職を務める前とのギャップなどがあれば教えてください。

瀬尾:やりがいについては、新卒の就活は社会人の基礎づくりに影響する大事な意思決定ですし、学生から社会人になる人生のターニングポイントに携われることにやりがいを感じています。また、「さとみんさんのおかげでVOYAGEへの入社を決めました!」との声をもらうなど、学生から感謝の言葉をもらう瞬間も嬉しかったです。私との出会いを通して納得のいく意思決定にたどり着き、それがVOYAGEと重なった瞬間はとても喜びを感じます。

また、私はエンジニアリング知識ゼロから人事職をスタートしたので、私自身もC言語を勉強してみてコードの書き方を学んだり、学生やエンジニアクルーとの会話の中で自分の知らない知識に出会い学んでいくこと自体がとても楽しいです。

一方ギャップについては、VOYAGEのエンジニア採用ではTreasureという強い武器をすでに確立しているため、もしTreasureを通してうまく採用ができなかったらどうしようとプレッシャーは想像以上にありますね。Treasureを成功させるためにエンジニアクルーを巻き込みながら準備を最大限頑張るとともに、Treasure以外に安定して採用ができる手法を確立することにも挑戦していきたいと思います。

ーー最後に今年の採用に対する瀬尾さんの意気込みをお願いします。

今年もオンライン前提の就活が予想されますが昨年の改善も踏まえ、よりVOYAGEのエンジニアカルチャーや事業内容が伝わるような工夫をし、会社の魅力を伝えられるように頑張りたいなと思います。

また、学生のみなさんもオンラインだと他の就活生の動き方が見えづらく、就活の動き方に躊躇が生じる方もいると思います。ただ、就活自体が自分と向き合う絶好の機会ですし、選択肢を多く持つことで最適な意思決定にもつながると思います。まずはサマーインターン期に一歩を踏み出してもらえればと思います。今年のTreasureはまだまだ参加者を募集していますので、ぜひエントリーもお待ちしています!

※Ajiting:VOYAGE GROUPには社内バーAJITOがあり、そこで飲み物片手に技術談義や雑談をする文化をAjitingと呼んでいます。

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